#08 時を超えて蘇る #08
時を超えて蘇る

(2024年リフォーム竣工)

都⼼にありながらも
周辺は豊かな緑に囲まれた
閑静なエリアに位置する
低層のヴィンテージマンション

この⼀室を購⼊されたある事業家のファミリーが⾃らのライフスタイルと美意識を映し出すために、⼤胆かつ丁寧にリノベーションを⾏いました。
既存の枠にとらわれず、⾃分たちの理想を形にするために、あらゆる細部にまでこだわり抜いたその空間は、家族の暮らしに豊かな彩りをもたらし、新たな⽇々の始まりを告げる場所となりました。

Entrance

重厚な玄関ドアを開けると、まず目に飛び込んでくるのは、床にあるクラシカルな印象の幾何学模様の 大理石。この床は元々建築当初からあるもので隣接したエレベーターホールから切れ目なく張られてい ました。
今回室内の全てを一新する中で、この大理石は磨き直して再生し、新たなインテリア空間と融合させることで、年月を経ても色褪せることのない歴史の趣をさりげなく継承していくことになると思います。

Hall

機能の見直しと素材が紡ぐ一体感

玄関ホールからリビングへと繋がる廊下は、ゲストの目に触れる場でもありながら、家族の日常に寄り添った機能を充分に備えている必要があります。既存のレイアウトを見直し、適材適所に配置した収納はそれぞれをウォークイン式にすることでさりげなく廊下と仕切り、その内部は使い勝手に応じて奥行きの違う棚を計画的に設置し、スペースを無駄なく利用できるように配慮しています。

その上で床にはシンプルなグレーのバサルトの石を、壁には均一でエレガントな表情のグレーベージュの大理石を張り、エントランスから悠久の時を経て堆積した地層のトンネルを潜り抜けていくような幻想的な雰囲気を演出しています。
リビングドアは両サイドに張られた石の重厚さに負けないよう、扉を最大限厚くし、さらにウォールナットの濃茶の突板仕様で堅牢さを演出しています。

Living

リビングの風景作り

家族のライフステージによってリビングの使い勝手も異なります。
大きくたっぷりとしたソファを備えることで家族と談笑したり、みんなで映画鑑賞したり、大切な時間を共に過ごすステージとして大きな役割を果たすことになります。
またその傍に子供たちが自由に利用できるプレイコーナーを割り当てることで、親の目の届くところで存分に身体を動かしたり、本を読んだり、宿題をしたり、成長の過程を窺い知ることができます。

Dining

選択の妙

ダイニングは家族の団欒、またゲストとの交流の場ともなります。ダイニングテーブルとダイニングチェアは自分たちの生活スタイルに合ったサイズ感と素材を細かく吟味し、辿り着いた至高の逸品。

この程よくマットに仕上げた大理石のテーブルを照らすペンダントライトも、数あるガラスシェードのカラーバリエーションからこの空間に合った組み合わせを選択することで、インテリアに洗練されたアクセントを加え、視覚的なリズムを感じさせ、動きと変化をもたらしています。
食事や会話の場がより生き生きとした、温かみのある雰囲気に包まれ、心地よい空間を演出しています。

Kitchen

リビングダイニングと
キッチンの関係性

クローズされていたキッチンをリビングダイニングに向けて開放したことで、家族やゲストが集う住まいの中心に生まれ変わりました。リビングからキッチンへと続くオープンなレイアウトは、お互いのコミュニケーションを促し、日々の暮らしに新たな価値を加えます。窓からは豊かな自然光が降り注ぎ、時間とともに表情を変える室内の雰囲気を楽しむことができます。

Dressing Room

自分を着替える場所

このドレッシングルームは、ご夫婦様が特別に思いを込めて作り上げたクローゼットです。スーツやアクセサリー、靴など愛着のあるものを収めるために丁寧にレイアウトされています。

お出掛け時の身支度が楽しくなるような、アイテムをひとつひとつ選び取る喜びを感じられる空間です。背面からの柔らかな間接照明の光が、洋服の質感や色合いを美しく引き立て、まるで自分だけの特別なブティックでスタイリングを楽しむかのような気分にさせてくれます。
毎朝、新しい自分と出会える、そんなワクワク感に満ちた場所です。

Powder Room

Powder Room

生活を整える+α

洗面スペースには、ツーボウルの広々とした洗面台が設置されています。
家族分のタオルやリネンのストック、着替えや脱衣カゴは扉のある収納に、日常的に使用する身支度品や化粧品などは朝の忙しい時間帯でも、家族がスムーズに使えるようオープン棚にそれぞれの用途に応じて適切な場所に置けるように配慮しています。
カウンターの素材は耐久性と美しさを兼ね備えたクォーツの人造石を使用し、清潔感を保ちながらも日常的な使いやすさを重視しています。

また、床や壁の素材も全体の統一感を意識しながら、明るい色合いのタイルを採用することで、窓のない水廻り空間により広々とした印象を与え、爽やかで快適な時間を演出しています。
このゆったりとして機能性の高い洗面空間は衛生的で効率が良く、大切な時間を節約することで、ストレスも軽減され、家族の一日のスタートや帰宅後のリセットの場面で大いに活躍してくれることでしょう。

Laundry Room

Laundry Room

以前はシャワーブースがあった場所に、乾燥室を兼ねたランドリーコーナーを設けました。洗面スペースと浴室との間に位置するため独立した脱衣室にもなっており、着替えから洗濯、乾燥、アイロンがけ、さらには収納までが一連の流れで完結し、家事の負担を軽減することが可能になっています。
来客時にも洗面スペースとの間の引戸を閉めることでプライバシーも保つことができ、とても使い勝手の良い空間に仕上がっています。